「内定が出たけど、給料の話を切り出すのが怖い」
「『前職の年収を踏まえて』と言われたけど、何をどう伝えればいい?」
「年収交渉ってそもそも、こちら側からしていいの?」
こんにちは、元保育士のれいです。
保育士・看護師・介護士の世界では、新卒以来「給料の話を自分から切り出す」経験がほぼないまま、転職の年収交渉を迎えることが多いと思います。
私も、転職を考え始めたとき、一番ハードルが高かったのが「お金の話」でした。
この記事では、対人援助職(保育士・看護師・介護士)が、転職の内定後に年収を引き上げるための具体的な伝え方を、現場のリアルに即して整理します。
先に結論を書くと、自分一人でやるよりも、転職エージェント経由で交渉してもらうのが圧倒的に有利で、楽です。
でも「自分でやるしかない場面」もあるので、その場合の伝え方も含めて書きます。
先に:年収交渉は「失礼」じゃない
保育・看護・介護の世界では、「お金の話を切り出すのは品がない」「給料目当てと思われたくない」という空気がありがちです。
私もずっとそう思っていました。
でも、転職市場の常識として、年収交渉は「するのが普通」です。
むしろ、何も交渉せずに最初の提示額をそのまま受けると、採用側からは「自分の市場価値を把握していない人」と見られることもあります。
「お金の話を切り出すのは失礼」というのは、長く同じ職場にいることが前提だった昭和の文化の名残です。
転職は「自分のキャリアと条件を主体的に決める」場面なので、年収を含めて「ちゃんと話す」のが、お互いにとって誠実な動き方です。
年収交渉の前に|現状の年収を「正確に」把握する
交渉のスタート地点は、「今の年収がいくらか」を正確につかむこと。
ここがズレていると、交渉そのものが成立しません。
計算に含めるもの
- 基本給(月給)×12
- 賞与(年2回が一般的)
- 各種手当(通勤手当・住宅手当・処遇改善手当・夜勤手当・資格手当など)
- 残業代(過去1年の実績平均)
計算しがちなミス
- 「手取り」と「総支給」を混同する → 必ず総支給で計算
- みなし残業を残業代と二重計上する
- 退職金・社会保険料分を含めない(含めるなら別途明記)
給与明細を3ヶ月分・源泉徴収票を1年分手元に置いて、エクセルか紙で「合計年収」を一度算出してみてください。
「思っていたより低かった」「こんなに手当が出てたのか」と、自分の現状把握だけでも発見があります。
交渉のベストタイミングは「内定通知の直後」
年収交渉を切り出すタイミングは、ズバリ「内定通知が出た直後」です。
理由は、採用側が「あなたを採用したい」と決めた直後が、一番こちらの立場が強い瞬間だから。
面接の段階では、まだ「採用するかどうか」の比較選考中なので、年収の話を持ち出すと「お金が目当ての人」と判断されるリスクがあります。
逆に内定後は「あなたを取るためには、いくら出せばいいか」のフェーズに入るので、交渉の余地が一気に広がります。
具体的なベストタイミングは:
- 内定通知(電話 or メール)が来た直後の返信
- 内定承諾の前(承諾してしまうと、もう交渉できません)
- 条件面談で「ご希望の年収はありますか」と聞かれたとき
「承諾の前」が絶対に大事です。一度「承諾します」と言うと、あとから「やっぱり○万円上げてください」は通りません。
年収交渉の伝え方|3つのフレーズ
具体的な言い回しを、状況別に3パターン整理します。
これはエージェント経由でも、自分で直接交渉する場合でも使える型です。
① 控えめパターン(穏やかに伝えたい)
「ご提示いただいた条件、ありがとうございます。
内定承諾の前に、一点だけご相談させてください。
現職の年収が◯◯万円で、転職にあたっては前職を上回る条件を希望しております。
ご提示の◯◯万円から、月額△△万円ほど上乗せのご検討は可能でしょうか」
② 明確パターン(具体額を伝える)
「ご提示の年収◯◯万円を確認させていただきました。
業界の相場と私自身の経験年数(◯年)・資格(保育士/看護師/介護福祉士)を踏まえると、希望年収は△△万円程度を想定しておりました。
こちらの希望額にお近づけいただくことは可能でしょうか」
③ 条件代替パターン(年収以外も含めて)
「ご提示の条件、ありがとうございます。
基本年収については承知いたしました。
もし可能であれば、夜勤手当の単価/処遇改善加算の支給/資格手当の追加/入職時期の調整など、別の形での条件相談も可能でしょうか」
このパターンは、「基本給は変えづらいが、手当や入職時期で調整できる」場合によく使われます。
年収だけでなく、働きやすさを総合的に整える発想が効きます。
「自分でやるとしんどい」場面はエージェントに任せる
ここまで自分で交渉する前提で書いてきましたが、正直なところ、自分一人で年収交渉するのはハードルが高いです。
言いにくい話を、しかも内定先の偉い人に向けて切り出すのは、対人援助職の方ほど苦手な領域だと思います。
転職エージェント経由で応募していれば、年収交渉は担当者が代わりにやってくれます。
これがエージェント利用の一番のメリットだと、私は思っています。
担当者は:
- 業界の相場を知っている(適切な希望額を提案してくれる)
- 採用側との交渉慣れしている(言い方の角を取ってくれる)
- あなたの代わりに「言いにくい話」を切り出してくれる
- 条件提示の交渉だけでなく、内定辞退の連絡まで代行してくれる
言いにくいことを、代わりに言ってもらえる。
これだけで、転職活動の精神的ハードルが大きく下がります。
交渉が通りやすくなる5つの材料
年収交渉は「希望額を伝える」だけでは弱いです。
採用側が「この人にこの額を出す価値がある」と判断できる材料を一緒に渡すと、通る確率が上がります。
① 経験年数と専門領域
「保育士◯年」「看護師◯年(うち夜勤◯年)」「介護福祉士◯年」など、経験年数は最大の交渉材料です。
特に、特定の領域(ICU・小児科・認知症専門・障害児保育など)の経験があると、専門性として評価されます。
② リーダー・指導経験
主任・リーダー・プリセプター・新人指導など、人を率いる経験は給与に直結します。
「自分には大した経験はない」と思っていても、棚卸ししてみると意外と書けることがあります。
③ 資格と更新状況
基本資格に加えて、追加資格(認定看護師・主任介護支援専門員・キャリアアップ研修修了など)があれば必ず提示。
取得直後の資格は、面接段階で必ずアピールしてください。
④ 業界の相場感
「同じ経験年数の方の相場は◯〜△万円と聞いております」と、相場を踏まえた希望額を伝えると説得力が増します。
相場はエージェントに聞くのが一番早いです。
⑤ 他社の内定状況
もし他社からも内定が出ている場合、「他社からは◯◯万円のご提示をいただいております」と素直に伝えると、交渉が通りやすくなります。
ただし、嘘の他社情報を盛るのはNG。バレたら一発で信用が崩れます。
やってはいけない3つの伝え方
① 「もっと高くないと困ります」など強気すぎる表現
採用側に「組織になじまないかも」と判断され、内定取消のリスクすらあります。
強気と高姿勢は別物。穏やかに、でも明確に伝えるのが原則です。
② 「他社で◯◯万円もらえるので」と他社優先な印象
嘘ではなくても、「他社の方を本命視している」と感じさせると印象が悪くなります。
あくまで「貴社で働きたい上で、条件のご相談」というスタンスを崩さないこと。
③ 承諾後に「やっぱり◯万円上げてください」
これは絶対NGです。
内定承諾後の交渉は信用を一気に落とします。
言うなら必ず、承諾の前です。
よくある質問
Q. 年収交渉は何回までできますか?
A. 基本的に1回が一般的です。
1回の交渉で着地できなければ、その額で承諾するか、断るかの二択になります。
複数回引っ張ると、採用側の心証が悪くなります。
Q. どれくらいアップを狙えますか?
A. 一般的には、提示額の+5〜15%が現実的な交渉余地です。
それ以上を狙うなら、明確な交渉材料(高い資格・特殊な経験など)が必要です。
「なぜその額が妥当か」を説明できる範囲が、交渉の上限です。
Q. 年収だけでなく、入職時期も交渉できますか?
A. できます。
むしろ「年収は変えづらいが、入職時期は調整できる」場合も多いです。
有休消化や引き継ぎの都合で「○月○日入職を希望します」と伝えるのは、ごく普通の交渉です。
Q. 年収交渉が原因で内定取消になることはありますか?
A. 穏やかな伝え方であれば、ほぼありません。
ただし、強気すぎる表現や、提示額から大幅に乖離した希望(+30%超など)を出すと、リスクはあります。
不安なら、エージェント担当者に「この伝え方で大丈夫か」を確認してから動くのが安全です。
最後に|「お金の話」を避けない覚悟が、長期の安心につながる
保育・看護・介護の世界では、「お金の話を切り出すのは品がない」という空気がまだあります。
でも、生活が安定しないと、子ども・患者・利用者にも笑顔で向き合えなくなります。
一番大切にしないといけないのは、自分自身の生活です。
お金の話をすることは、まったく後ろめたい話ではありません。
3年動けなかった私が振り返って思うのは、「お金の話を避けたまま転職を決めてしまうのは、長期的に損をする選択だった」ということ。
言いにくい話は、エージェントに任せていい話です。
ひとりで全部抱え込まず、プロの力を借りながら、納得できる条件を引き出してもらえたらと思います。
動かない週末も、ちゃんと「自分のための時間」です。
今日は調べる気力がない、というときはブラウザを閉じてしまって大丈夫です。
気持ちが少し戻ってきたタイミングで、また読みに来てもらえたらと思います。
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