「病棟を離れて、訪問看護をやってみたい」
「でも40代から未経験で大丈夫?」
「実際、夜勤がなくなる代わりに何が起きる?」
訪問看護に興味はあるけど、リアルがわからない——そんな40代の看護師さんに、私の2年間を全部お話しします。
こんにちは。総合病院から訪問看護、最終的に保育園の看護師に落ち着いた、あかりです。
訪問看護は、40代の看護師さんから「次のキャリア」としてよく注目される働き方です。
私自身、病棟から離れたあと、訪問看護を2年間経験しました。結果として2年で離れることになったのですが、その経験から見えたリアルを、隠さず書きます。
「これから訪問看護を考えている方」が、後悔しない選択をするための材料になれば嬉しいです。
この記事を書いている人
40代後半、看護師歴24年。総合病院の急性期病棟で長く勤務した後、訪問看護を2年経験し、今は保育園で子どもたちと向き合う毎日です。
訪問看護を「やってみてよかった」とも「2年で離れることになった」とも思っている、その両方の目線で書きます。
40代で訪問看護を選んだ理由
最初に、なぜ私が訪問看護を選んだのか。正直にお話しします。
理由①|夜勤がない働き方を探していた
40代で夜勤の体力的負担が限界に来ていました。日勤だけで給料を維持できる選択肢として、訪問看護は魅力的でした。
理由②|「病棟ではできない深い看護」に憧れていた
退院していった患者さんが、その後どんな生活をしているのか。病棟ではわからなかった部分を見たい気持ちがありました。
理由③|長く続けられる仕事だと感じた
「訪問看護師は40〜50代がボリュームゾーン」と聞いて、自分の年齢で第一線にいられる場所だと思いました。
訪問看護の1日のリアル
私が働いていた頃の、ある日の流れです。
- 8:30 出勤・カンファレンス・1日の訪問先確認
- 9:30 1件目訪問(バイタル・処置・服薬確認)
- 10:30 移動→2件目訪問
- 12:00 昼休憩(事業所or車内)
- 13:00 3件目・4件目訪問
- 15:30 5件目訪問
- 16:30 事業所に戻って記録・報告
- 17:30 退勤
ポイント:
- 1日4〜5件の訪問が標準
- 移動時間も業務時間(自転車・車・電車を使い分け)
- 記録は事業所に戻ってから or 訪問先のすき間時間で
- 急変・緊急時は予定がすべて崩れる
- オンコール(夜間呼び出し当番)がある事業所では、夜間呼ばれることも
リアルな給料の実態|オンコール有無で大きく変わる
ここが、入る前にいちばん知っておいてほしいポイントです。
- 訪問看護(オンコールあり・フル稼働):32〜42万円
- 訪問看護(オンコールなし):27〜32万円
- 訪問看護(パート・時給制):時給1,800〜2,500円
私の場合(オンコール月5回・常勤):月収34万円。病棟時代から数万円ダウンですが、夜勤がない分は満足でした。
注意点:
- 「夜勤なし」と書いてあっても、オンコールがある事業所が多い
- オンコール手当は「待機料+出動手当」で構成される
- 「完全オンコールなし」の事業所は給料が下がる代わりに、心身の負担は激減
病棟との「決定的な違い」5つ
①「一人で判断する」責任の重さが段違い
訪問先には自分しかいません。
利用者さんの状態変化・救急搬送の判断・家族への説明、すべて自分一人で決めます。病棟のように「先輩に聞く」「医師に確認する」がすぐにはできません。
②利用者さんとの距離が近い=感情的にも近い
数ヶ月〜数年、同じ方を訪問し続けます。
病棟と違って、「お別れ」が直接の喪失になります。看取りの現場に立ち会うことも多いです。
③家族との関係性が深く、深いほど重い
利用者さんだけでなく、家族との信頼関係も大事です。
家族の介護疲れや経済的な事情まで見えるので、「医療職としての一線を引くこと」が難しくなる瞬間があります。
④移動・天候・交通の負担が想像以上
雨の日も雪の日も自転車・車で移動。
夏は熱中症リスク、冬は路面凍結。40代の身体には地味にしんどいです。
⑤事業所の方針で「やり方」が全然違う
医療依存度の高い利用者さん中心の事業所、看取り中心の事業所、リハビリ中心の事業所など、事業所のカラーで仕事内容が大きく変わります。求人を見るときに必ず確認してください。
40代の私が「2年で離れた」本当の理由
ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。
訪問看護はやりがいのある仕事です。でも、私は2年で離れました。
理由①|「一人で抱える責任」に、心がもたなかった
病棟では「チームで看る」のが当たり前だったので、訪問先で利用者さんの容態が変わるたびに、一人で判断する重圧に心がすり減りました。
理由②|オンコールで、休日が休日じゃなくなった
月5回のオンコール当番の日は、家から1時間以上離れられない。家族との予定も、心の休まりも、徐々に削られていきました。
理由③|「死」と「看取り」と向き合う頻度の高さ
病棟以上に、看取りの現場が身近です。利用者さんとの関係が深い分、亡くなったあとに引きずる時間が長くなりました。
理由④|運転と移動の負担
夏の猛暑日に1日5件回るのは、40代の身体には想像以上にきつかったです。
訪問看護そのものを否定しているわけではありません。
「向き不向きが、年代と性格で変わる」ということを、リアルにお伝えしたかっただけです。
こんな看護師さんに向いている/向いていない
向いている人
- 一人で判断するのが嫌じゃない
- 利用者さん・家族との深い関係性に喜びを感じる
- 病棟経験10年以上(判断力に自信がある)
- 看取りを大切にしたい
- オンコールも給料のうちと割り切れる
向いていない人
- 一人で抱える重圧に弱い
- チームワーク命の人
- 看取りで気持ちを引きずりやすい
- オンコール待機のストレスが強い
- 運転・移動が苦手
訪問看護に40代で転職する3つのステップ
「向いてるかも」と感じた方へ。ぜひ慎重に動いてください。
ステップ①|「オンコールあり/なし」を必ず確認する
求人票で「オンコールの有無」「月の回数」「待機時の制約」をチェック。これだけで生活の質が大きく変わります。
ステップ②|事業所の「利用者層」を見学で確認する
看取り中心?リハビリ中心?医療処置メイン?
事業所カラーが自分に合うかは、見学しないとわかりません。面接前に必ず見学を申し込んでください。
ステップ③|転職サイトに登録して非公開求人を見る
訪問看護の優良求人は、表に出ない非公開求人が多いです。
看護師専門の転職サイトに登録だけすれば、エージェント経由で「この事業所はオンコールなし」「ここは40代未経験OK」みたいな情報を教えてもらえます。
私自身、訪問看護を辞めると決めたあとも、転職サイトの求人を眺めるだけで「次にどんな働き方ができるか」を確認していました。
「登録=必ず転職」ではないので、まず情報を持つところから始めてみてください。
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「今すぐ転職しなくていい、選択肢を知るだけ」でも大丈夫です。
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まとめ|訪問看護は「やってよかった」けど「合う合わないが大きい」
訪問看護は、本当にやりがいのある仕事です。
病棟では見えなかった、患者さんの「日常」と「人生」に深く関われる場所。
だからこそ、合わない人にとっては心が削られる場所でもあります。
40代で訪問看護を選ぶなら、「自分は一人で抱える重さに耐えられるか」を、入る前に正直に問いかけてみてください。
合うと感じたら、長く続けられる素敵な働き方です。
合わないと感じたら、それは恥ずかしいことでも何でもありません。私のように「次の場所」を探せばいいだけです。