保育士の持ち帰り仕事、当たり前じゃなかった|元保育士が「気づいた日」の話

転職

休日の夜、リビングのテーブルに広げた画用紙とハサミ。
「これ終わらせないと月曜に間に合わない」と焦りながら作業する自分。

気づいたら、家が保育園の準備室みたいになっている

こんにちは、元保育士のれいです。
「保育士 持ち帰り 仕事」で検索してここに来たあなたは、たぶん今、同じような日々を過ごしているんじゃないでしょうか。

先に大事なことを伝えさせてください。

持ち帰り仕事は、”当たり前”じゃありません。

私自身、辞めるまでそれを本気で理解できていませんでした。
今日はその話を、全部書きます。


私が家に持ち帰っていた仕事のリスト

まず前提として、保育士の仕事の中には 持ち帰ってはいけないもの があります。

  • 連絡帳(個人情報の塊なので、その日のうちに書いて保護者に渡す)
  • 子どもの発達記録
  • 指導計画の個別名が入った書類
  • 園児の写真

これらは 個人情報なので、園の外に出せません
だから、「じゃあ何を家に持って帰ってたの?」となるのですが、実際は山ほどありました。

私が当時、実際に家でやっていたもの:

  • クラスだより・園だよりの文面作成
  • 壁面装飾の製作(桜、あじさい、ハロウィン、クリスマス、雪だるま…)
  • 誕生会の出し物(ペープサート、パネルシアターの背景づくり)
  • 制作遊びの下ごしらえ(人数分の画用紙を型紙通りにカット、のりの小分け、見本作り)
  • 行事の小道具(かけっこメダル、衣装の飾り、プログラム)
  • 月案・週案の下書き(完成形は園のPCで)

個人情報じゃないものだけ選んでこの量、という感じです。


「家でやれる仕事」が、全部家に流れ込んでくる

一番しんどかったのは、「家でやれる=家に持ち帰るべき」という空気でした。

園のルール上、個人情報系は持ち帰れません。
だから園に残って書類をやる必要があります。
その分、「個人情報じゃないもの」は家でやれる=家でやるものという扱いになっていきます。

  • 平日は保育と書類でいっぱい
  • 残業時間も書類で消える
  • じゃあ壁面装飾はいつ? → 家で
  • じゃあペープサートはいつ? → 家で
  • じゃあクラスだよりはいつ? → 家で

こうして 土日と平日夜が、保育園の延長戦になっていきました。


特に量が増える「3つの時期」

1年を通して、持ち帰り量が爆発する時期が3つあります。

① 行事前(発表会・運動会・生活発表会)

  • 衣装の装飾
  • 小道具(大きなお面、旗、メダル)
  • プログラムの作成
  • クラスごとの出し物準備

発表会の2週間前くらいから、毎週末ミシン・ハサミ・のりと格闘する生活が始まります。

② 年度末(2〜3月)

  • 卒園記念制作(子どもごとの手形・足形アルバム、保護者へのメッセージカードなど、個人情報が絡まない部分)
  • 進級に向けた新しい名札・マーク作り
  • 壁面装飾の切り替え

③ 年度始め(4月)

  • 新年度の名札・個人マーク
  • 新クラスの壁面装飾
  • 新入園児用のお道具箱ラベル

このあたりは、「平日でやれるはずがない量」が一気に押し寄せてきます。


家族との時間が消えていった話

私が一番「これはおかしい」と感じたのは、
自分の家にいるのに、家にいる気がしないことでした。

  • 休日にリビングで作業していても、頭の中は月曜の保育のこと
  • 家族がテレビを見ていても、自分は画用紙を切っている
  • 「一緒に出かけよう」と言われても、「ごめん、今週末はペープサート仕上げないと」と断る

家族や大切な人との時間を、保育園の準備に食われていく感覚がありました。

しかもその時間に、お給料は一切発生していません

「やりたくてやってる趣味」と「仕事」の境界が曖昧にされて、
やって当然の無償労働として扱われていく。

これが保育士の持ち帰り仕事の正体だと思います。


「みんなやってる」という呪い

そして、この仕組みが続く一番の理由は、

「みんなやってるから、自分もやる」

という空気です。

  • 先輩が当たり前に持ち帰っていた
  • 同期も休日に製作を進めていた
  • 新人の頃、「家でやらないと終わらないよ」と教えられた

だから私は、これが普通なんだと思い込んでいました

疑問を持ったことすら、なかった気がします。

でも、他業種で働く友人に「土日は家でペープサート作ってるんだ」と話したとき、

「え、それ給料出ないの?」
「土日も家で仕事してるってこと?」
「えぇ…それブラックじゃない?」

と真顔で驚かれました。

外から見たら異常なのに、中にいると気づけない。
これが一番怖い仕組みです。


持ち帰りゼロの保育職場は、ちゃんとある

「持ち帰りゼロは無理でしょ」と思うかもしれません。
でも、実際には存在します。

  • 労務管理がしっかりしている大手グループ園(持ち帰り禁止が明文化されている)
  • 小規模保育園(子どもの人数が少なく、製作量も少ない)
  • 病児保育・院内保育(保育内容の構造が違い、製作系の仕事が少ない)
  • 企業主導型保育園(運営会社の方針次第で持ち帰りゼロ運用も)

ただし、求人票を見ただけでは「本当に持ち帰りがないか」まではわかりません。
ここを調べるには、園の内情を知っているエージェントに聞くのが一番速いです。


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両方登録して、話しやすい担当者のほうを選ぶのが一番効率的です。


最後に|家のテーブルが保育園化している、あなたへ

家に仕事を持ち帰るのが当たり前。
土日もなんだかんだ製作をしている。
家族との時間が、仕事に削られている。

もしそうなっていたら、その生活は「頑張り」で維持するものじゃないと伝えたいです。

私自身、辞めてから気づきました。
休日に家のテーブルで画用紙を切っていない生活が、どれだけ心を軽くするか。

辞めなくても大丈夫です。
まずは 「持ち帰りゼロの保育園もある」 という事実を知るだけでいい。
その一歩が、あなたの休日を取り戻すスタートになります。


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